総支配人の職を離れる

【ホテル総支配人のブログ 第59話】

「総支配人の職を離れる」

私は3月31日付で、長年勤務していたホテルを退職し、現在は求職中の身分となった。これまでのブログは、自分が総支配人として学んだことを備忘録として書き殴ってみた。これが、少しでもどなたかのお役に立てばと願っている。自分が学んだことはある程度のことは書き終えたし、今後は自分の経験していないことを知ったかぶりをして書くつもりもない。しばらくの間は、少しコンセプトから外れても、自分の考えることや感じたことを書き残しておこうと思う。

次の転職先を見つける必要があるが、それまでは少しペースを落として生活をしてみる。読みかけの本が山ほどあるのでそれを読んでみたり、家の片付け、株の勉強、英語の勉強、運動、スポーツ観戦など、とりあえずこれまで出来なかったことを楽しむつもりである。

先日、たまたま競合ホテルの総支配人からも労いの言葉を頂か機会があった。突然の退職ということもあり、地域の皆様にもご心配をかけてしまったかもしれない。ちなみにその方も、キャリアの半ばで1年以上も無職の時期を経験したことがあるとのことだった。奥さんや子供がいる中での求職活動という点でも、今の自分の境遇と似ている。その方からお話を聞くと、その期間中は無職であっても、毎日ジャケットを着て外出していたそうだ。子供が家にいる手前、家にいるのが気まずかったのかもしれないが、何より奥様がそのように旦那を仕向けたとのことだった。その奥様はとても肝が座った方だと思う。自分の妻にもこの話をしたら、「それは奥さんが凄い」と言っていた。私も同感である。しかもそのGMは、その就職浪人期間が「人生にとって一番良い時期だった」と仰っていた。恐らく、自分自身を見つめ直す良い機会となったのだろう。

私はとにかく仕事を離れたのだから、当面は仕事を探しながら、これまで出来なかったことをしていこうと思っている。少しだけ充電をして、また復帰に向けた準備をしていこう。