You are too kind(お前は優しすぎる)

【ホテル総支配人のブログ 第43話】

「You are too kind(お前は優しすぎる)」

この言葉は、私が何度か上司から言われた言葉だ。総支配人をしていく上で、時には本社の人間やホテル内のスタッフと「Confrontation(対決)」をしなければならないということだ。これを避けて、ホテルマネジメントは出来ないというアドバイスを、上司から何度も頂いた。このような強い姿勢は、自分としてはあまり得意ではないが、それでも時には必要な態度だと思う。

ホテル内で意思決定をする上で、利害関係者の意見が一致することはまずない。オーナーはROIと投資の回収を求めてくるし、本社は短期・中期・長期の全ての視点でホテルを成功させるために現場にプレッシャーをかけてくる。現場のスタッフは、リゾート地で働いていることもあり、気楽なイージーライフを送りながら沢山稼ごうと努力する。要するに、全員がそれぞれの立場から、好き勝手なことを言ってくる。皆さんも職場で同じような経験をしたことがあるかもしれないが、総支配人はその中で意思決定をして、組織を引っ張っていなかければならない。

自分としては、「対決」して自分の意見を押し通すよりも、いかに組織のみんなに説明をし、理解を得ながら意思決定をしていくというやり方の方が多い。しかし、外国人と働く上で「Confrontation(対決)」を遠慮なくしていくことが大切であることを、総支配人の職務を経験する中で大いに学ばせて頂いたと感じている。