ホテルのカラー

【ホテル総支配人のブログ 第52話】

「ホテルのカラーは総支配人によって変わる」

今回はホテルの雰囲気、ホテルのカラーは総支配人によって変わるということについて触れてみたいと思う。総支配人がフロントやハウスキーピングなどの宿泊部門出身なのか、もしくはレストランスタッフやシェフ出身なのかによって、ホテル全体の雰囲気の作り方、スタッフの扱い方、プロモーションの方法、ゲストサービスへの考え方がそれぞれ異なる。細かいところだと、客室にあるタオルやグラスの置き方、お茶の種類など、細部にまで総支配人の意向が反映されている。

例えば自社を例にとると、私のキャリアの軸は宿泊予約部門なので、どちらかというとシステマチックなホテル運営、滞在中のゲストの満足度を重視したホテルになる。客室での滞在の品質を重視するが、お客様を驚かせるようなことはあまり得意ではなく、どちらかと言えば面白味のないホテルになりがちだ。もしこれが料飲部出身の総支配人であれば、もっとレストランでお客様を喜ばせるような思考や、サービスマインドを反映させたホテルの運営方法になるだろう。このように、総支配人がどのようなバックグラウンドを持っているかによって、ホテルの雰囲気は大きく変わるのである。

私はどちらかというと、温かみのある接客、スタッフの自主性を重んじたホテル運営、お客様を家族や友人のようにもてなすような雰囲気のホテルを目指してきた。総支配人の哲学によって、ホテルのカラーは変わる。皆さんもホテルに宿泊する時には、ブランドのコンセプトもそうだが、それと同じく総支配人のフィロソフィーも反映されていることを感じて頂ければ嬉しく思う。