大学との包括連携協定

【ホテル総支配人のブログ 第15話】

私がGMになってから一生懸命取り組んだことの一つとして、近隣大学との包括連携協定の締結が挙げられる。ホテル業界を発展させるためには、産学の連携が必要だ。ホテル業界の慢性的な人手不足を解消したい、人材のミスマッチを未然に防ぎたい、多くの学生にホテルを経験してもらいたいなど、色々な思いを胸に、私から大学側にアプローチしていった。指を咥えて待っていても良い人材は就職してくれないし、人材の一本釣りには限界がある。実を結ぶまで数年かかったとしても、良い人材が継続的に流入してくる仕組みを作りたい。たとえ自分のホテルが就職先として選ばれなかったとしても、この地域に目を向けて、最終的にはこの地域に就職してくれる優秀な学生が増えれば、地域としても良いではないか。そう思って、数年かけて大学との包括連携協定の締結を進めてきた。

そして実際にやってみると、これは大学側からも喜ばれる取り組みであることが分かってきた。大学側としては、卒業生の就職率を少しでも上げたいので、個別の企業と繋がれることは大きなメリットである。また、私たちのホテルは大学側と協力してインターンシップのプログラムを共同開発しているのだが、教育プログラムを充実させて他大学との差別化を図りたい学校側にとってもありがたい話として受け取られることが多かった。そういう訳で、双方の思惑が一致するので、話がまとまりやすい。

結果的には、私たちのホテルは近隣大学3校と包括連携協定を締結することができ、毎年多くの学生をインターンとして受け入れるホテルとなった。インターンのプログラムはまだ発展途上であるが、失敗を重ねるうちにノウハウも蓄積されてた。これはホテルや私自身にとっての大きな財産となっている。インターンシップを成功させるためのノウハウについては、また別の機会に考察してみようと思う。