ホテルで働いていて良かったことって何ですか?

【ホテル総支配人のブログ 第26話】

「ホテルで働いていて良かったことって何ですか?」

これはインターンの学生から受けた質問である。学生はとても素直で、直球の質問をぶつけてくるから好きだ。この質問に対する私の答えは、以下の通りである。

①数あるホテルの中で、どういう訳か我々のホテルを見つけて下さって、そして実際にご宿泊頂けたこと。

②滞在中に、何も問題なくお過ごし頂けたこと。

③一度ご宿泊頂いたお客様が、またホテルに戻って来て下さること。

まずは当ホテルをお選び頂けたことが、ホテルで働く者としては何よりも嬉しいのである。お客様は口コミから判断したのかもしれないし、知人から紹介されて当ホテルを選んだのかもしれない。もしかすると、たまたまうちのホテルしか空室がなかったので仕方なく泊まったのかもしれない。それがどんな理由であっても、ご宿泊頂けたことにまずは感謝である。

次に、滞在中に問題がなかったことが嬉しい。これは、お客様からすると当たり前のことかもしれない。しかし、ここに至るまでには、予約の受け付けや客室の準備、チェックアウトなどの様々なプロセスがあり、その全ての段階で清掃会社やスタッフが良い仕事を出来たということである。全てのスタッフの努力の結果として問題なく快適にお過ごし頂けたということなので、これは地味ではあるが、私にとっては日々の中で嬉しさを感じる瞬間である。

最後に、一度ご宿泊されたお客様が、またホテルに帰ってきて下さることはやはり格別である。これは最高の喜びと言える。リピーターになるということは、前回のご滞在に満足されたということだから、これほど嬉しいことはないのである。

皆様はホテルを利用する側だから、このようなことはあまり意識することがないかもしれない。しかし、お客様を迎えする私たちからすると、上記のような小さなことが、実は幸せであり喜びとなっているのである。ホテルで働いていて良かったと思える瞬間である。