Kill the strongest (一番強いヤツを殺せ)

【ホテル総支配人のブログ 第6話】

「Kill the strongest(一番強いヤツを殺せ)」

この言葉は、私がスイス人の上司から受けた衝撃的なアドバイスである。このように言われたのはかなり前のことなので、実際にはいつ、どのような状況でこの言葉をかけられたのかは、今でははっきりと覚えていない。ただ、組織の中で、ホテルの方針に賛同しない抵抗勢力がいた時だったことは確かだ。このような大きな反対勢力に対峙する場合、その中で一番強いヤツを殺せということだ。何と残酷な助言だろう。

GMになったばかりで、組織を束ねる経験が少なかった自分にとっては、頭を殴られるほど衝撃を受けた言葉だった。自分は日本人なので、やはり和を大切にしつつも意思決定をしていくスタイルだが、このような欧米的で過激な思考法、組織マネジメント法を学ぶことが出来て本当に良かったと思っている。

私は外国人を上司に持つことが多いが、そのような人たちと働くと非常に学ぶことが多いと感じる。ちなみに、まだ自分は一番強いヤツを殺すような経験をしていない。いつかやってみたい気もするし、一生試したくないアドバイスのような気もする。