ホテル総支配人としての自己紹介

【ホテル総支配人のブログ 第1話】

私は今、日本のとあるリゾート地でホテルの総支配人をしている。学生時代には、ホテル業界など視野にも入れておらず、人付き合いも苦手であり、接客など向いていない自分が、ひょんなきっかけでホテル業界に迷い込み、そしてなぜかGM(総支配人)にまでなってしまった。

自分の過去を振り返ってみても、やはり「迷い込んだ」という表現がしっくりと来る。ホテルの仕事は、ある人からすれば憧れる存在であるに違いない。側から見れば、ホテルで働く人は輝いて見えることは、自分でも理解できる。きちっとした身なりの男性や女性は、とても格好良い。

それに比べて、自分はどうだろう。ある知り合いからは、「不動産の営業マンに見える」と言われたことがある。自分でも、そちらの方が近いような気がする。決してホテルの「顔」になるような輝いた人間ではない。でもそんな自分でも、素晴らしいスタッフとお客様に囲まれる、奇跡のようなホテルを作り上げることが出来たのが、自分の小さな自慢であり、誇りでもある。その経験を、自分自身の備忘録としても記録しておこう。

自分は、最近この大好きなホテルを離れる決断をしたが、自分がホテルのGMとして学んだことは、決して忘れたくないと思う。