ビジネス

ホテルのポジショニングを意識しろ

【ホテル総支配人のブログ 第60話】 「ホテルのポジショニングを意識しろ」 ホテルを運営するにあたり、市場内における自社のポジションを意識することが重要である。これは例えば、サッカーの場合は選手のポジショニング、株取引の場合はポートフォリオの変…

ホテルの成長過程と成功について

【ホテル総支配人のブログ 第58話】 「ホテルにとっての成功とは何か?」 本日はこのテーマについて考えてみる。ホテルにとっての成功とは何か。 超短期的に見れば、それはホテルを利用するお客様がサービスに満足してお帰りになることである。お客様はホテ…

日々の仕事の中で勘を養う

【ホテル総支配人のブログ 第57話】 「日々の仕事の中で勘を養う」 これはどの職業にも当てはまることかもしれないが、日々の仕事の中で、職業人としての感覚や勘を研ぎ澄ますことが大切である。これは何も、私が総支配人として最もらしく言うべきことではな…

とりあえず自前でやってみよう(DIY精神)

【ホテル総支配人のブログ 第56話】 「お金がないから、とりあえず自前でやってみよう」 私たちのホテルでは、利用可能なリソースが非常に限られているため、とにかく自分たちで何でもやらなくてはならない。特にコロナ禍では、ホテル自体が生き残ることで精…

GMとのネットワークを大切にすべし

【ホテル総支配人のブログ 第55話】 「近隣のGMとのネットワークを大切にすべし」 これは私が小さなリゾート地で働いているからかもしれないが、例え競合他社であったとしても、近隣のGMとのネットワークは大切にした方が良いと思っている。その理由としては…

ホテルのカラー

【ホテル総支配人のブログ 第52話】 「ホテルのカラーは総支配人によって変わる」 今回はホテルの雰囲気、ホテルのカラーは総支配人によって変わるということについて触れてみたいと思う。総支配人がフロントやハウスキーピングなどの宿泊部門出身なのか、も…

スタッフの使い捨てを止めろ

【ホテル総支配人のブログ 第51話】 「業界としてもっと人を大切に出来ないものか?」 ホテル業界としてそう考えている訳ではないかもしれないが、結果としてホテル業界は人材を無駄に浪費していると思う。ホテルのスタッフは、看護師などと同様に、時間的に…

ホテルに足りない人材とは?

【ホテル総支配人のブログ 第50話】 「日本のホテル業界には、ビジネス志向の人材が少な過ぎる」 接客やサービスを学びたいという理由で、ホテル業界を志望する方は多い。それはそれで結構なことだが、サービスを追求するだけでは、今のホテル業界では生き残…

現場で考えて行動する組織

【ホテル総支配人のブログ 第49話】 「現場で考えて行動する組織」 私のホテルは小さな組織であり、マネージャーがいつも現場に張り付いていられる訳ではない。そのため、現場のスタッフが問題に直面した時に、当事者がその場で解決策を考え、正しいと思われ…

2025年までのホテルの生存戦略

【ホテル総支配人のブログ 第48話】 コロナが終息しても、ホテルの業績が一気に回復する訳ではない。この数年間で他業種に移ってしまった人材を呼び戻したり、人材を一から教育するのには数年の時間を要する。しかも、この人材不足はホテルだけの問題ではな…

ホテルとは何か?

【ホテル総支配人のブログ 第47話】 「ホテルとは何か?」 今回は普段なかなか考えることのない質問に挑んでみる。あまりにもくだらな過ぎる質問に聞こえるかもしれないが、「ホテルとは何か?」を考えることで、ホテルというものを自分なりに再定義してみよ…

ホテルの成否を決めるもの

【ホテル総支配人のブログ 第46話】 今回は、数あるホテルの中で、成功するホテルと失敗するホテルを決定する要因は何なのかについて考察してみる。私自身の経験を元に考察してみると、大切な要素の一つ目として、まずはホテルオペレーターのオーナーからの…

常に整理整頓を心がけよ

【ホテル総支配人のブログ 第45話】 「常に整理整頓を心がけよ」 ホテルマネジメントについてのブログを書き続けて改めて思うことは、ホテルマネジメントには特に難しい技術が必要なのではなく、いかに当たり前のことを徹底できるか、つまり「凡事徹底」をい…

心の冷たいお客様

【ホテル総支配人のブログ 第44話】 「心の冷たいお客様」 今回は少しデリケートなトピックを扱ってみる。本当は「心の貧しいお客様」というタイトルにしようかと迷ったが、少しマイルドに「心の冷たいお客様」にしてみた。いずれにしても、ごく稀に「心の冷…

You are too kind(お前は優しすぎる)

【ホテル総支配人のブログ 第43話】 「You are too kind(お前は優しすぎる)」 この言葉は、私が何度か上司から言われた言葉だ。総支配人をしていく上で、時には本社の人間やホテル内のスタッフと「Confrontation(対決)」をしなければならないということ…

協力会社と良い関係を構築しろ

【ホテル総支配人のブログ 第41話】 「協力会社と良好な関係を構築しろ」 これは当たり前のことなので、書く必要がないことなのかもしれないが、自分と同じく新人の総支配人の方もいらっしゃるかもしれないので、その方へのアドバイスの意味も込めてここに記…

ダイナミック・プライシングを極めるべし

【ホテル総支配人のブログ 第39話】 「ダイナミック・プライシングを極めるべし」 我々のホテルでは、繁忙期と閑散期、言い換えれば需要と供給の関係によって宿泊料金を柔軟かつ大幅に変更する「ダイナミック・プライシング」を導入している。この価格戦略は…

プロスノーボーダーとのスポンサー契約

【ホテル総支配人のブログ 第38話】 「プロスノーボーダーとのスポンサー契約」 我々のホテルは、ウィンタースポーツが盛んなリゾート地にある。その地域では後発のホテルであるので、ブランド力も弱く顧客ベースも脆弱、集客力も顧客ベースもない状態からの…

最終出勤日の前日に

『ホテル総支配人のブログ 第36話】 「明日は最終出勤日だ」 最終出勤日前日の率直な気持ちをここに記しておく。自分が今のホテルで働き始めてから、約8年の月日が経った。その間にホテルのブランドが三度も変わり、スタッフとしてとても大変な時代を過ごし…

自分以外にも人見知りの総支配人がいた

【ホテル総支配人のブログ 第32話】 ホテルの総支配人は、ホテルの「顔」である。私のイメージでは、総支配人は社交性があり、コミュニケーション能力が高く、包容力があり、そして洗練された存在である。そのGMのキャリアについて考えてみると、ホテルのこ…

私の意思決定論

【ホテル総支配人のブログ 第31話】 「世の中にインパクトを与える意思決定とは?」 今回のテーマはこちらである。私たちが現在生きている世の中は、先代たちの意思決定によって生まれたものである。そして、私たち現役世代が下している意思決定により、次の…

ホテルは私にとっての作品である

【ホテル総支配人のブログ 第25話】 「ホテルは私にとっての作品である。」 皆さんにとっての仕事観は分からないが、私は仕事を仕事として捉えるというよりは、一つの「作品作り」のような感覚でホテルを運営している。つまり、音楽や絵画、彫刻のような、芸…

Everything is ROI(全てをROIで考えろ)

【ホテル総支配人のブログ 第23話】 「Everything is ROI(全てをROIで考えろ)」 これは、セールス&マーケティング活動にいかに予算を配分すべきかを考えている時に、上司から頂いアドバイスだ。非常に面倒臭い上司ではあったが、今考えると大切なアドバイ…

大きく稼いで少なく使え

【ホテル総支配人のブログ 第22話】 「大きく稼いで少なく使え」 とてもシンプルな考え方であるが、これこそがホテル経営の肝であると思う。ホテルのGMをやってみると、難しい仕事というのはそれほど多くはなく、むしろ当たり前だと思えることをいかに徹底し…

ブランドに騙されない賢い消費を

【ホテル総支配人のブログ 第21話】 「ブランディングとは何か?」 自社のアイデンティティを消費者に伝え、ブランドに対する信頼や憧れを抱かせるような活動の全般とでもいうのだろうか。ブランドの下で働く従業員にとっては、働く自分の誇りやチームの一体…

泥臭い営業も必要だ

【ホテル総支配人のブログ 第20話】 Business Developmentのチームが弱ければ、ホテルは発展しない。そのことは、前回のブログでも書いたとおりである。新しいお客様にホテルを利用して頂くことで、初めて顧客の「新陳代謝」が生まれる。お客様をお迎えする…

RevPARに関する考察

【ホテル総支配人のブログ 第19話】 「RevPARは信頼できる指標か?RevPARは高ければ高い方が良いのか?」 今回は少し真面目に、ホテルの経営指標について考えてみたいと思う。ホテルの客室稼働率(Occupancy, OCC)と客室平均単価(Average daily rate, ADR…

Business DevelopmentとOperationは車の両輪である

【ホテル総支配人のブログ 第17話】 「Business DevelopmentとOperationは車の両輪である。Business Developmentが強すぎると、ホテルは外向きになりすぎる。Operationが強すぎると、ホテルは内向きになりすぎる。」 これは私が大手外資系ホテルチェーンに在…

Information should be checked(情報を確認せよ)

【ホテル総支配人のブログ 第14話】 「Information should be checked(情報を確認せよ)」 これも、私が上司から教わった大切な教えである。目の前にある情報を鵜呑みにするのではなく、一度自分自身で検証すべきである。その情報が経営データであっても、…

Revenue takes care of itself

【ホテル総支配人のブログ 第13話】 スイス人の上司がよく使うのが、「Revenue takes care of itself」というフレーズだ。上手い日本語訳が見つからないが、つまり「売り上げがあれば、全ての問題が解決する」ということだ。これは至極当然のことであるが、…