ホテルは私にとっての作品である

【ホテル総支配人のブログ 第25話】

「ホテルは私にとっての作品である。」

皆さんにとっての仕事観は分からないが、私は仕事を仕事として捉えるというよりは、一つの「作品作り」のような感覚でホテルを運営している。つまり、音楽や絵画、彫刻のような、芸術作品を創り上げるような感覚で、日々仕事をしている。いつからこのような考え方に変わったのかはよく覚えていないが、とにかくそのような考え方で今は働いている。そう考えることによって一番変わってくるのは、一つ一つので仕事を追求する姿勢である。ホテルを自分の作品だと考えると、仕事に妥協が入り込みにくくなる。

「経営はアートである」と、どこかの経営者の方が仰っていたが、今はその感覚が何となく自分にも理解できるような気がする。経営者にも美的センスが必要であり、そのセンスをビジネスの現場でも活用することが必要だという意味なのだと思う。

自分は毎日仕事のホテルに出勤する時に、「非日常を感じられるか?」という質問をしながら建物に入るようにしている。清潔感、館内の香り、ロビーやスタッフの雰囲気などを、いつもフレッシュな視点で見るように心掛けている。これは、予算がなくてすぐには改善することが出来ない場ことも多いのだが、それでも出来る範囲でやれることをやろうとしている。少なくとも、我々のホテルにご宿泊頂くお客様には、「非日常」を感じてもらいたいし、ホテルの「テイスト」や「雰囲気」を楽しんで欲しいと思いながら、私はホテルを運営している。