ホテルにおける人材獲得方法

【ホテル総支配人ブログ 第53話】

「人材の獲得方法に答えはない」

私はこれまで、ホテルの責任者として数多くのスタッフを雇用してきた。その経験から言えるのは、信頼の出来る唯一の人材調達ソースというものは存在せず、色々なチャネルを組み合わせて人材採用を進めるしか方法はないということである。

自分がこれまで試してきたのは、民間の人材派遣会社、人材紹介、ハローワーク、ホテル業界専門のオンライン求人サイト、知人からの紹介、新卒採用、大学の就職課、SNSグループの活用などであり、その他にもホテルに直接応募してきた方の採用もある。各チャネルによって、人材に甲乙があるという訳でもなく、特におすすめの人材採用方法がある訳でもない。

ただ一つ、試す価値のある人材採用方法があるとすれば、それは大学の就職課以外の非公式チャネルを活用することだ。通常の採用活動は、大学の就職課を通して求人情報を学内で紹介して頂く方法が一般的かと思うが、私は大学の学部長、もしくは学科長経由で人材を見つけるということも並行して行なってきた。大学によっては、就職課を通すようにと言われてしまうが、この非公式のチャネルを使うメリットとして、学部もしくは学科内の教授陣の会合の場などの場で、この求人情報を共有して頂ける可能性が高く、各ゼミ生を持つ教授から就職がまだ決まっていない学生を紹介して頂けることだ。私はこの方法で、新卒採用やインターンの採用をしてきた。この方法を取るには、学部長や学科長とのパイプを構築しなければならないが、一度それが出来上がってしまうと、非常に強力な人材紹介ツールとなる。もし採用に困っている採用担当者の方がいらっしゃれば、ターゲットとする大学にこのように接触してみてはいかがだろうか。