現場で考えて行動する組織

【ホテル総支配人のブログ 第49話】

「現場で考えて行動する組織」

私のホテルは小さな組織であり、マネージャーがいつも現場に張り付いていられる訳ではない。そのため、現場のスタッフが問題に直面した時に、当事者がその場で解決策を考え、正しいと思われる選択肢の中から最善のアクションを取ることを奨励してきた。フロントスタッフがクレームを受け、サービスリカバリーの対応をしなければならない場合は、対応の結果を翌日に事後報告してくれれば良いと伝えることにしている。このようにして、各人のその場での対応を信頼してきたが、これまでのところ、スタッフが誤った対応をしたと感じたことはなかった。

私は、スタッフの誰かが「これはどうしたら良いですか?」とストレートに解決策を求めてきた時は、「逆にどうすれば良いと思う?」とそのまま質問を返すようにしている。そうすることで、自分で考える癖をつけてあげたいからだ。また、私からもスタッフによく相談をするようにしている。例えば、急にスタッフが出勤できなくなった場合などに、「私ならこういうふうにシフトを変更しようと思うけど、Aさんはどうすれば良いと思う?」とスタッフに質問をすると、私が考えていた以上に良い代替案を提案してくることがある。

このような対応が全てが上手くいく訳ではないが、一人一人が現場で考え、その都度ベストと思われる判断をさせることが、現場を強くするためには必要だと思う。